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これは私と若い私の解散式!
仮面劇「小栗判官・照手姫」に続く説経シリーズで近年の代表作となった人と人形の劇「愛護の若」より“恋に狂ひて”に続くKAAT公演は、狂熱の現代劇。昭和3年生まれ、16歳で敗戦を迎えた劇団代表であり作者の遠藤啄郎の自伝的作品!?50代の男の現在と過去が行き来する物語は、幻想ではない。戦後のトーキョーにたしかにあった現実。進めアメリカ!夢のアメリカ!...。戦前中後を生きる一人の男の苦痛と歓喜が匂い立つように蘇る。
ボートシアターの特殊な稽古スタイルとその訳
「さらばアメリカ!」は2年弱にわたる長期の断続的な稽古を通じて創作されています。他の劇団と比較するとかなり特殊なスタイルと言えるでしょう。なぜそのような方法を取るのでしょうか?
劇団略歴
1982年、代表作「小栗判官・照手姫」を初演。各国の演劇祭で大きな評価を得る。また、1996年にインドネシア国立芸術大学と共同で「耳の王子」を創作・上演するなど国際的な活動にも力を注いでいる。2001年には鋼鉄製のはしけ(第七金星丸)を劇場として改造し、横浜トリエンナーレ2001に参加。現在は、船劇場第七金星丸を拠点として創作活動を行っている。主宰の遠藤啄郎は「小栗判官・照手姫」脚本・演出に対し、1984年第18回紀伊國屋演劇賞、2001年横浜文化賞を受賞。劇団は日本文化デザイン賞ほか。
ヤケクソが産んだ数奇な戯曲
遠藤が「アメリカ!」(2018年に「さらばアメリカ!」と改題)を書いたのは1975年頃(写真は当時の頃のもの)。度重なる長期の海外公演で疲れ切り、人間関係はズタズタ、もう芝居なんかやめてしまおうと、死にたいほどのヤケクソの気分だったという……
20年ぶりの復活
1970年代にヤケクソで執筆された後、複数劇団からの上演拒否という憂き目に遭った本作。再び日の目を見たのは約25年後の2000年。当時新作の上演を終え、心身ともに疲弊した遠藤が手を伸ばした脚本こそが、「アメリカ!」だったのです。
ラクダの仮面製作秘話
新作「さらばアメリカ!」で新たに作られたラクダの仮面の裏事情!遠藤による造形の完成後、イチかバチかの大決断をすることになります。
仮面製作に関わった吉岡紗矢自身の証言です。
イントロダクション
コラム:特殊な稽古スタイル
横浜ボートシアターとは
コラム:「さらばアメリカ!」の歴史1〜上演不可、そしてお蔵入り〜
コラム:「さらばアメリカ!」の歴史2〜 図書館小劇場「アメリカ!」(2000年5月上演)〜
NEW! コラム:遠藤啄郎の新境地!新作ラクダの仮面に隠された秘密とは?
1980年頃、羽振りよく洒落た高層アパートに住む「私」は、麻薬常習者だ。運び屋の男が届ける薬でよみがえるのはあの戦争の鮮やかな記憶。若き日の私・少年航空兵、パンパン、時代とともに自らを葬った母娘、ついぞ乗れなかった零戦が立ち現れ、私を慰めいたぶる。次々に取って代わる時代の正義へも私は為す術もなく、ついに進駐軍のMPに「若い私」が強引に関係を迫られる...。アメリカへの愛憎、憧れと挫折の果てに待ち受けていたものは?
「さらばアメリカ!」は今から42年前、某劇団の為に私自身の戦争の体験をもとに書いた喜劇である。しかし目当ての劇団からは不適当とキャンセル。そこで私が研究生のレッスンを引き受けていた別の劇団にどうだろうと打診をしてみたものの、これもだめとのそっけない返事。やれやれと、作品はお蔵入り。それから22年後、そうだこんな作品があったと、横浜ボートシアターでリーディングスタイルでの上演。その舞台をたまたま見たシアターXの芸術監督の上田美佐子さんがシアターΧでと2000年に上演。しかし舞台は不満の残るものとなってしまった。そして今回の上演である。
敗戦から72年、今回の作品で別に台本を新しく書きかえたのでもないが、毎回の稽古が今までになく楽しく、面白く、新しい発見が次々に見えてくる。私は古くさいことわざを思い出していた。「のどもとすぎればあつさをわすれ」。敗戦、そして戦後、その過酷な体験は、長い月日を経てやっと客観視でき、自由に喜劇として作品化できる時を迎えることができたのかもしれない。なんと長いのどであった事よ。長生きしたことのありがたさを今さらながら実感している今日この頃である。
遠藤啄郎 89歳
2018年5月25日(金)〜6月3日(日)
公演日程
5月25日(金) | 19:00 |
---|---|
5月26日(土) | 14:00/19:00 |
5月27日(日) | 14:00 |
5月28日(月) | 14:00 |
5月29日(火) | 休演日 |
5月30日(水) | 19:00 |
5月31日(木) | 14:00 |
6月1日(金) | 19:00 |
6月2日(土) | 14:00/19:00 |
6月3日(日) | 14:00 |
*リアルマッスル泉 出演日
5月25日、26日夜、28日、31日
6月2日昼、3日
*奥本聡 出演日
5月26日昼、27日、30日、
6月1日、2日夜
一般 4,000円
U25チケット(25歳以下)2,500円
高校以下1,000円
ペア 7,000円(劇団のみ取り扱い)
一般 4,500円
U25 3,000円
高校以下1,200円
5月25日(金)19:00と26日(土)19:00の両公演は、
前売一般と前売U25が各500円引き。
半券お持ちで劇団に事前予約の方、当日受付にて
一般は3, 500円、U25は2,000円(ご本人に限ります)。
TEL 080-6737-5208
FAX 03-3761-6358
E-mail yokohama.boat.theatre@gmail.com
TEL 0570-015-415
窓口 KAAT 神奈川芸術劇場2F(10:00~18:00)
KAATホームページ
E-mail marmeloyama@gmail.com